米国トランプ政権は2月14日、鉄鋼・アルミニウム製品の米国輸入に対する追加関税に関し、2月18日付で公示予定の官報案(鉄鋼・アルミ)を発表した。新たに25%の追加関税が課される製品の米国関税分類番号(HTSコード)を示した。米国は2018年3月に、1962年通商拡大法232条に基き全貿易相手国の特定の鉄鋼・アルミ製品の米国輸入に対して追加関税(232条関税)の賦課を開始した。2025年2月時点で、国・地域別、申請者別、製品別に設けられた適用除外の対象製品を除いて、鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の追加関税が課されている。ドナルド・トランプ大統領は2025年2月10日、232条関税に関して、(1)3月12日に鉄鋼製品の追加関税は25%に据え置きつつ、アルミ製品の追加関税を10%から25%に引き上げること、(2)3月12日に国・地域別や製品別に設けられている適用除外を廃止すること(注)、(3)現在232条関税が賦課されていない特定の鉄鋼・アルミの派生製品を対象に追加すること、(4)232条関税の対象製品を追加するプロセスを創設すること、などを規定した大統領布告を発表した(2025年2月12日記事参照)。しかし、(3)に該当する、新たに232条関税の対象に追加される特定の鉄鋼・アルミの派生製品の詳細は大統領布告発表時点で示されていなかった。今回発表された官報案では、新たに232条関税の対象に追加される特定の鉄鋼・アルミの派生製品の8~10桁のHTSコードを列挙した「付属書I(Annex I)」が付け加えられた。鉄鋼製品は167品目、アルミ製品は123品目が新たに対象に追加される。これらの製品に対する追加関税は、対象製品の関税収入を完全、効率的かつ迅速に処理・徴収するための適切なシステムが整備されていると商務長官が認めた日から有効となる。
米232条関税、追加対象の 鉄鋼・アルミ製品290品目の関税分類番号を発表