MSCが運航するコンテナ船”MSC Aries” (15,000TEU)が13日、ホルムズ海峡を 航行中にイラン革命防衛隊により拿捕さ れた。拿捕は、イランによるイスラエル への大規模攻撃と並行して実行されたも の。
同船は当時、UAE・カリファ港を出港 しインド・ナバシェバへ向けてUAE沖合 い80kmを航行中、革命防衛隊の特殊部隊 がヘリコプターにより乗船し拿捕された と伝えられる。現在は同革命防衛隊の指 示によりイランへ向け航行中。
同船は英国船主、Zodiac Maritime傘下 のGortal Shipping Inc.,が保有している ポルトガル船籍のコンテナ船で、現在は MSCが用船している。Zodiacがイスラエ ル資本の船主だったためイランの攻撃対 象になったと見られるが、イランは拿捕 の理由については明らかにしていない。
同船の乗組員は25人で、インド人、フィ リピン人、パキスタン人、ロシア人、エス トニア人から成り、拿捕を受けフィリピン 政府は、イラン政府へ自国船員の早期解放 の働きかけを開始した。
また同船の拿捕を受け、米国、英国の政 府高官も相次いでイランの行動を国際法違 反だとして非難する声明を発表し、船舶、 船員の即時・無条件での解放を求めた。
海外メディアは国際物流の専門家の声と して、現在イエメンの武装勢力・フーシ派 による紅海・アデン湾情勢の悪化はサプラ イチェーンに大きな影響を与えているが、 その海空一貫輸送によるバイパスとなる UAEなどのハブ港湾が面するアラビア湾も 危険海域となれば、サプライチェーンへの 悪影響はさらに拡大するだろうと警告する 声を伝えている。