ガザ停戦でフーシ派が紅海での非イスラエル船の攻撃停止、タンカー、バルク船中心に徐々に復帰か

19日(現地時間)にガザ停戦が発効したことでイエメンの武装組織フーシ派は同日、イスラエル所有または船籍の船舶を除き、紅海を通航する船舶を対象とした軍事行動を停止すると発表した。これにより、グローバル海運環境も大きく変化することが予想される。
 これによりイスラエルに寄港する船舶、米国、英国の企業・個人が保有する船舶、もしくは米英船籍の船舶、イスラエルの企業・個人が部分的に保有する船舶または管理・運航する船舶は攻撃対象から除外されることになる。ただ、完全にイスラエル資本が所有する船舶、イスラエル船籍の船舶は引き続き紅海、アデン湾、アラビア海、インド洋を通航することを禁止すると強調、イスラエルとハマスの合意のすべての段階が完全に履行されれば、禁止措置を解除するとしている。
 またフーシ派の支配地域に対する米国、英国による空爆が今後も続けば、米英関連の船舶への攻撃を再開し同海域での航海を禁止すると警告した。
 フーシ派は23年11月から1年以上にわたり紅海での商船への攻撃を続け、これまで船員4人が死亡し、2隻の船舶が沈没し、船社は喜望峰を経由して欧州へ向かう迂回ルートへの変更を余儀なくされている。
 ガザでの停戦とフーシ派が商船への攻撃停止を発表しても、船社は紅海やスエズ運河の通航に戻ることに依然として慎重になると予想され、最初はタンカーとバルク船中心に徐々にスエズ運河に復帰すると見られているが、コンテナ船は船社が紅海が再び安全になったと結論付けるまでに最低数週間かかり、結論が下された後、スケジュールを再調整するのに数週間かかることから、実際の再開にはさらに数週間がかかるとみており、その期間には必然的に、グローバルサプライチェーン混乱と一部の港湾で混雑発生が予想されている。