S&P Global Platts(米国)によると、 製造業が中国から東南アジアに一部シフト していることを受け、東南アジアから北米向け需要が増加、船社は来年にかけ太平洋航路の船腹を東南アジアへシフトする可能 性がある。
中国のゼロコロナ政策による政治的不安定、ロックアウト、関税高などにより、荷主が製造の一部をベトナム、タイ、インドなどの東南アジア、南アジアにシフトし、 船社も配船の再配置を迫られている。 Plattsデータによる20日時点のアジアから 北米向けスポット運賃は極東から北米東岸向けが2,900ドル/FEU、東南アジアからも2,900ドル/FEUと輸送費は同等で、西岸向けは東南アジア出しが極東出しを50ド ル上回った。
サプライチェーンの移管は移管先に高度なインフラ、熟練労働力、原材料、技術、 政府支援が必要で、中国からの完全移行は 難しいため、メインは中国出しのまま拡張する形になるとみられるが、既に船隊の5 ~10%を中国からベトナム、タイ、インド など他のアジアへシフトした船社もあると いう。Plattsはこのシフトが来年も続くと 予測し、来年の太平洋航路運賃に影響を与 える可能性があるとみる。