本船が入港した場合に掛かる諸掛かりには以下のものがあります。
- ターミナル・ハンドリング・チャージ(THC)
- コンテナ・フレート・ステーションチャージ(CFS Charge)
- エンプティー・コンテナ・ハンドリング・チャージ(ECHC)
- デリバリー・オーダー・フィー(D/O Fee)等
- ターミナル・ハンドリング・チャージ(Terminal Handling Charge: THC)
コンテナターミナル内で発生する費用を指します。具体的には、ガントリー・クレーンを使用してコンテナを本船からコンテナ・ヤード上へ降ろす作業、コンテナ・ヤードに降ろしてからコンテナ・ヤード内の所定の場所に移動する作業、コンテナの維持・管理作業、税関への届け出作業等を取りまとめた料金です。 - コンテナ・フレート・ステーション・チャージ(CFS Charge)
コンテナ・フレート・ステーション(Container Freight Station: CFS)にて発生する費用で、混載貨物の取扱費用を指します。エル・シー・エル(LCL)サービスチャージ、シー・エフ・エス(CFS)レシービング・チャージとも呼ばれています。
混載貨物の場合は一つのコンテナの中に複数の荷主の貨物が積載されており、各荷主へ貨物を引き渡すためにはコンテナからすべての貨物を取り出して仕分けを行わなければなりません。
そのためにはコンテナをコンテナ・ヤードからコンテナ・フレート・ステーションへ移動し、そこで貨物を取り出した後、コンテナに積載されているべき貨物のリストと実際の貨物の個数、容量を確認して税関に届ける手続きが必要です。それらの作業のための費用等をとりまとめた料金です。
- エンプティー・コンテナ・ハンドリング・チャージ(Empty Container Handling Charge: ECHC)
オフドック(港湾区域外にあるコンテナヤード、例えば荷主の倉庫)で発生する費用です。例えば、荷主の都合で一旦コンテナをシャーシから降し、後日コンテナを回収する際に発生するシャーシより揚げ・降しする費用などが含まれます。 - デリバリー・オーダー・フィー(Delivery Order Fee)またはドキュメント・フィー(Document Fee)
デリバリー・オーダーやアライバル・ノーティスを発行するための手数料です。一般的に船荷証券1件あたりいくらという料金体系になっています。 - その他
必ず課せられるものではありませんが、付随費用として貨物留置料(Demurrage)や返還遅延料(Detention Charge)等があります。前者は超過保管料という性格のもので、コンテナ・ヤードもしくはコンテナ・フレート・ステーションでフリー・タイム(無料で保管することができる期間)を超過した場合に発生する保管料です。なお、コンテナは日本到着後7日以内にコンテナ・ヤードから引き取ることが一般的です。後者はコンテナの長期貸出し費用という性格のもので、コンテナ・ヤードからコンテナを引取った後コンテナをコンテナ・ヤードに返却するまでの日数が規定日数を超過した場合に発生します。なお、日本の場合コンテナは引取り後3日以内にコンテナ・ヤードに返却するのが一般的です。
- BAF (Bunker Adjustment Factor)
燃料油価格の高騰があった場合の割増料金。FAFと呼称する場合もある。 - CAF (Currency Adjustment Factor)
通貨変動による為替差損(益)を調整する割増(引)料金。 - D/O Fee (Deliver Order)
(荷渡し指図書)発行手数料。 - EBS (Emergency Bunker Surcharge)
緊急燃料割増料金。原油価格の高騰に伴い、船舶燃料費の高騰に対する措置として導入された割増料金。 - YAS (Yen Appreciation Surcharge)
円高損失補填料金。アジア関係の同盟・協定がCAFにかえて導入した料金で、急激な円高による損失を補填するための割増料金のこと。