新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、米ロサンゼルス港では貨物船の運行停止や遅延が続いている。
ロサンゼルス港湾局のジーン・セロカ局長は、全米公共ラジオ放送(NPR、3月11 日)で、「ロサンゼルス港では2月中旬~4月1日にかけて、41隻の運航キャンセルが 出ている。これは普段の同時期の運行隻数の25%に相当する」と述べた。
物流の停滞により米国内の商品供給が懸念されている。全米小売協会(NRF)が会員向けに行ったアンケートによると、新型コロナウイルスの影響によりサプライチェーンへの混乱が生じていると回答した会員は40%に上り、そのほか26%がウイ ルスの感染拡大が続けば、将来的に混乱が 生じうると回答した。同協会では、中国国内の工場の操業停止や移動制限が続く中、 小売製品の主要輸入港への影響は以前考え られていたよりも大きく、長引くものとみ ている。
<日系企業は影響の長期化を懸念>
ジェトロが3月9~11日に実施した在米 日系企業へのヒアリングでは、サプライ チェーンへの影響に関し、「中国製品は多 少の納品遅れあり」「中国からの部品輸入 は従来の水準には戻っていない状況。航空便で対応している」と物流の停滞を指摘す る声が聞かれた。また、「現状はこれまで の在庫がある。長期化すれば、米国での生 産量に影響」「大きな影響が出始めるとし たら4~5月からではないか」と影響の長期 化を懸念する回答もみられた。