各地における物流への影響
現時点で確認された各地における物流の影響は以下のとおりです。
【アメリカ】
・バージニア港は物流量の減少に伴い、5 月 4 日より Portsmouth Marine Terminal をクローズして、Virginia International Gateway (VIG) と Norfolk International Terminals (NIT)にて オペレーションを継続する旨発表して います。
【メキシコ】
・メキシコ雇用者協会(COPARMEX)は輸送中の貨物を守るため盗難リスクの高いルート(メキシコシティ-プエブラ-ベラクル ス-タバスコをつなぐルート、および、メキシコシティ-ケレタロ-グアナファト-ラサロ・カルデナスをつなぐルート)における対策強化を政 府に申し入れています。 また、検疫を装ってトラックを停止させて貨物を盗難する手口が報告されています。本物の検疫所では軍や警察が同席してお り、医療従事者も身分証明書を携帯しているので、区別をつけるよう注意喚起がされています。
【ブラジル】
・現時点では、高速道路・港湾・空港とも貨物輸送においては影響はありません。
【欧州】
・ドイツ・オーストリア・デンマーク・イタリア等一部の国では商店・書店等一部の業種に限り営業再開をしています。
・フランスでは 5 月 11 日より一部の制限を解除する方向で進めています。
・スペインでは非常事態宣言を 5 月 9 日まで延長し、ホテルや飲食店は宅配サービスのみ許可されています。
【アジア】
・インドネシアの国鉄では米や果物・野菜などの生鮮食料品を含む小売品の鉄道輸送を開始しました。鉄道の旅客数減少に伴い貨物輸送事業を強化しており、ジャワ島内 60 駅に設置した窓口で小売品の持ち込みと受け取りが可能になります。
・マレーシアでは、主要港に保管されていた輸入貨物などの輸送が開始され港湾の混雑が緩和されつつありますが、加工工場 が一部操業していないほか、完成品の輸出が滞っていることで、国内倉庫の収容能力が限界に近づいています。運輸省はこれまで 4 回にわたり貨物の引取りを求めていますが、活動制限令により全面的な操業が認められていない自動車・建設関連企業向けの原材料保管が増加し続けており、コンテナの積み残しに繋がっています。
・ミャンマーのヤンゴン管区政府は、コンテナトラックの日中走行(午前 7 時~午後 8 時)を一時的に許可しました。引続き夜間外出禁止令により夜間走行は禁止されています。
・フィリピンでは、ルソン島全域で実施されている外出・移動制限の中でも、マニラ南港・バタンガス港のコンテナターミナルはそれぞ れ稼働率 70%・50%で運営されています。
・コンゴはロックダウンを 5 月 11 日まで延長しました。また、ポアントノアール港はオペレーションを継続していますが、業務を一部 縮小しています。
・ギニアでは夜間(21 時~5 時)の外出が禁止されているため、港湾および空港は 8 時~16 時に限定してオペレーションを 継続しています。
・ナイジェリアはロックダウン中であり、政府は国境の閉鎖期間を 5 月 4 日まで 2 週間延長しました。ラゴス港は閉鎖されており、 すべての活動が停止しています。
・トーゴではロックダウンが継続され、夜間(19 時~6 時)の外出が禁止されています。港湾施設は 24 時間稼働していますが、 バルク船の夜間荷役作業は中止となり午前 5 時以降の対応となっています。
【日本国内】
・名古屋港のコンテナ取扱量は輸入は2月 前年同月比24%減・3月16%減に対し、輸出は2月が12%減・3月が15% 減と徐々に輸出のマイナス傾向が拡大しています。また、コンテナターミナルでは中国からの輸入が減少したことを受けて、2 月か ら全ターミナルで実入りコンテナ搬出の時間外ゲートオープンを午後 6 時までに短縮していましたが、4 月 17 日からは搬入も同 様に短縮となっています。