世界的な港湾混雑による物流への影響(ロングビーチ・ロサンゼルス)

サンペドロエリア(ロサンゼルス港およびロングビーチ港)での 2021 年 5 月のコンテナ滞留日数は、前月の 3.6 日から 3.95 日とやや増加しました。コンテナが 5 日以上港に滞留している割合も、前月の 13.1%から 15.5%とやや増加しました。なお、両港の 5 月のコンテナ総取扱量は、対前年比 58.63% 増の 1,919,263TEU で、引き続き対前年比で大幅な増加とな っています。

沖合の待機船もピーク時の 2 月は 40 隻前後であったが、5 月には 15 隻前後と減少傾向にあります。

同エリアでの鉄道ランプでのコンテナ滞留の平均日数は前月の 12.4 日から 10.5 日とやや改善にありますが、一方で特に中西部の鉄道ランプでは予想外のコンテナ数とシャーシ不足が重なり混乱が長期化しています。特にシカゴの鉄道ターミナルでは、コンテナの混雑がひどく、 2 ヶ月間コンテナの引き取りができず、保管料として 1 コンテ ナで$11,000 の請求となった事例も発生しています。IANA(Intermodal association of North America)によれば、4 月および 5 月の、米国南西部から中西部にかけての 40 フィー トコンテナの鉄道輸送量は昨年対比で 45%増、2019 年対比でも 31%増となっています。加えて、物流量の増加によるシャーシ不足およびUPRailroad社のシャーシ管理方法の課題もあり、コンテナ滞留が長期化傾向にあります。荷主が引き取りたくても、UP Railroad 社側で引き渡す準備ができていない、また、競合他社である BNSF 鉄道では、このような状態のコンテナに対して保管料を請求していない等の事情もあり、UP Railroad 社に対して批判の声がでていました。これを受け、米国最大規模の貨物鉄道会社であるユニオン・パシフィック鉄道 UP Railroad 社は Global 4 ターミナルでの保管料の上限を 7/1 から$2,450 に制限しました。上記情報につきましては、あくまで現時点での状況をご報告するものです。最新情報を常にご確認いただきたく、どうぞよろ しくお願いいたします。