世界的な港湾混雑による物流への影響(ロングビーチ・ロサンゼルス)

1. 米国ロサンゼルス港およびロングビーチ港の状況

昨年来、コロナ渦の巣ごもり消費需要の拡大により輸入貨物が増大してい るところに、年明け港湾荷役作業員の中で新型コロナウイルス感染者が急増したため、港湾荷役オペレーションを縮小したことにより、沖合で待機するコンテナ船が更に増加する事態となっていました。

その後、港湾荷役作業者へのワクチン優先接種の働きかけもあり、感染者数減少とともにオペレーションも徐々に改善し、4 月には概ねフル稼働状態に戻っております。

  • ⚫  サンペドロエリア(ロサンゼルス港およびロングビーチ港)での 2021 年 4月のコンテナ滞留日数は、前月の 3.75日から 3.6日とやや改善、2月の 4.2日からは大きく改善しました。コンテナが 5 日以上港に滞留している 割合も、3 月の14.4%から4月は 13.1%と改善しました。

  • ⚫  なお、両港の5月のコンテナ総取扱量は、対前年比 58%増の 1,919,263TEU。昨年実績が少なかったことも影響し、引き続き対前年比で大幅な増加となっています。

    一方、鉄道輸送においては、鉄道ランプでの滞留日数については、2021年 1月以降悪化しており、 2021年 4月は 11.2日と、コンテナターミナルでのオペレーション改善に対応しきれておらず、引取・回送 に大きな打撃を受けております。

この状況を改善するため、ロングビーチ港では古くは建築資材置き場として利用し昨年 10 月にオープンした Pier S を、鉄道輸送待ちコンテナの臨時保管場所として提供、6/16 時点で約 1600 本のコンテナが置かれております。他方、ロサンゼルス港もここまで大規模ではないものの、同様の臨時保管場所の提供をしております。しばらく鉄道ランプの混雑は続くことが見込まれて います。