世界コンテナ運賃指数 23年1月~24年10月に乱高下

世界の主要な業界、市場調査や消費者動向に関するデータや統計を提供する世界最大級のデータプラットフォーム、Statista(独)がまとめた2023年 1月12日から2024年10月10日までの世界の月次コンテナ運賃指数は劇的に変動した。23年10月26日に1,342ドル/FEUと最低レベルまで下落したあと大幅に上昇し、24年7月28日には 5,917ドル/FEUと約4.4倍の5,900ドルを超え、過去最高値に達したが、 その後再び下落し10月10日の時点で、3,349ドル/FEUへ43.4%落ち込んだ。
 Statistaによると、グローバルサプライチェーンは、多数のリンクから構成される脆弱なシステムで、1つが中断されると、システム全体の機能な連鎖的な影響が及ぶ可能性があり、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は、業界全体とサプライチェーンを停止させるか、効率を大幅に低下させるほどの大規模な出来事だった。コンテナ輸送はその複雑さと大陸横断的な性質により、パンデミックによって特に大きな打撃を受け、海運業界は港の閉鎖や混雑、労働力不足、生産能力の活用の困難、さらには新しいコンテナ不足に苦戦しなければならなかったが、ここ数カ月、イスラエルと多数のイスラム諸国との間の中東紛争の影響が同地域の石油輸出に重大な影響を及ぼし、回復が切望されている産業をさらに悪化させていると指摘する。
 一方でコンテナ船の運営コストは増加しているが、運賃の高騰は単に経費の増加をカバーするだけではなく、船社はパンデミックが始まって以来、過去最高の営業利益率をあげた。しかし、このような高い利益率にもかかわらず、運賃値上げにはある程度の影響を及ぼし、23年第2四半期(4~9月)の主要コンテナ船社の平均営業利益率は 8.9%と、22年第1四半期(1~3月)のピーク時のEBIT(営業利益)と比較してほぼ50%減少した。この減少にもかかわらず、一部船社は新造コンテナを購入し、新造コンテナ船を発注することで、以前の利益を利用して輸送能力を増加させているが、これらの新たに発注したコンテナ船の引き渡しはまだ数年かかる見通しとしている。