世界でトラック運転手不足 23年は36カ国で300万人 IRUが調査レポート

IRU(国際道路輸送連盟)が南北米州、アジア、欧州における4,700社以上のトラック運送会社を調査した結果を発表、2023年には世界的にトラック運転手の不足が増大し、調査対象の36カ国で現在300万人以上の運転手が不足していることが明らかになった。
 例外は欧州と米国で、2023年には不足が若干緩和したがこれは、インフレと消費と投資を制限する金融政策の引き締めの結果、輸送需要が低迷したためと指摘、供給不足は今後数年間でさらに悪化、運転手を引き付けて維持するための行動がなければ、調査対象国では2028年までに700万人を超える運転手の職が不足すると予想している。
 内訳は中国で490万人(全職の20%)、欧州で74万5,000人(全職の17%)、トルコで20万人(全職の28%)などとなっている。
 IRUではトラック運転手不足の背景にある構造的な問題が輸送サービスに影響を与え続けており、新人の割合が毎年退職する運転手よりも大幅に低いため、今すぐに早急な対応が必要と指摘、調査した国々では、300万人以上のトラック運転手が退職後の動向が不明で、この職業の人口動態を考慮すると、その数は5年以内に2倍になる可能性があると予測している。
 また、トラック運転手の職業は高齢化が進んでおり、25歳未満の運転手は12%未満、欧州では5%に過ぎず、女性運転手の割合もわずか6%と依然として低く、調査対象国の中で女性運転手の割合が最も高いのは中国(6%)と米国(8%)だった。