パナマ運河、紅海の混乱で多目的船打撃 26/27年の用船市場ひっ迫

Drewry Martime Research(英国)が 最近発行した多目的船海運予測レポートに よると、ここ数カ月間、天候によるパナマ 運河の輸送能力の限界と、バブ・エル・マ ンデブ海峡での商船へのミサイル攻撃に よってもたらされる危険によって、さまざ まな海運部門が打撃を受けているが、多目 的船も例外ではなく、重量物運搬能力を備 えた大型船(プロジェクト船)でさえ、パ ナマ運河とスエズ運河の通過回数が大幅に 減少していることが分かった。

産業、エネルギープロジェクト、特に 石油・ガス、風力エネルギー分野のプロ ジェクトの数と規模により、プロジェクト 船に対する需要は旺盛で、パナマ運河とス エズ運河の通航減少と、米州とアフリカを 南下することによる航海距離の増加により、

トンマイルの需要が増加し、定期用船料の 上昇に現れているが、これまでのところ増 加はわずかにとどまっている。

同時に、プロジェクトの増加により、来 年からの船舶需要の増加を予想、特にプロ ジェクト船は、2026/27年の多目的船の 用船市場がひっ迫、パナマ運河と紅海の通 航混乱が続けば、荷主にとって状況はさら に困難になる可能性があるとみる。

新造船の発注はまだかなり少なく、稼働 率はすでに高いことから、地理的なチョー クポイント(戦略的に重要な海上水路)と それらを取り巻く地政学的出来事を分析す ることが、少なくとも短期から中期的な多 目的船市場分析の重要な側面になるとして いる。