チッタゴン港混雑でコンテナ船20隻以上滞船、平均7~10日遅延

香港の海運調査会社、LinerLyticaによると、バングラデシュの港湾混雑はここ1週間でさらに悪化しており、政府崩壊の余波で港湾業務は依然中断されている一方、入港を待つ船舶の数が急増している。
 8月8日に暫定政府が発足したが、港湾状況は改善されておらず、現在20隻以上のコンテナ船がチッタゴン港でバース待ちしており、平均遅延日数は7~10日となっている。
 一方、現地紙のThe Daily Starの報道によると、チッタゴン港湾局(CPA)とチッタゴン税関は、コンテナの混雑を緩和するために、今週から週末や祝日でも24時間体制で業務を維持する取り組みを始めた。この措置は、割当改革抗議運動とそれに続く5日間のインターネット遮断を中心とする全国的な暴動と夜間外出禁止令の間、遅々として進まなかったコンテナの滞留を解消し、輸出入プロセスを迅速化することを目的としたもの。
 CPAによれば、チッタゴン港には通常3万~3万2,000TEUのコンテナが保管されているが、13日には4万3,578TEUとなり、処理能力5万3,518TEUの81%を超えたが、CPAでは輸出入コンテナの混雑は日々減少、4万TEU以下に抑える努力が進められているという。
 コンテナの混雑は、チッタゴン港の輸出の約90%を取り扱う19の民間内陸コンテナデポ(ICD)でも確認、通常6,000~7,000TEU程度の輸出コンテナが保管されているが、現在はそのほぼ2倍、平均1万5,400TEU程度が保管されている。
 さらに、貨物列車で輸送されるコンテナを保管するための港の専用スペースは現在、876TEUの蔵置能力のほぼ3倍にあたる2,470TEUで埋まっている。
 混雑は輸入業者に経済的損失をもたらすだけでなく、特にコンテナの円滑な積み替えを確保するにはヤードの約30%を空けておかなければならないため、港の運営にも支障をきたしているという。