スエズ運河から喜望峰に航路変更 全体の80%、354隻に

香港のコンテナ市場分析会社、Linerlyticaによると、大西洋・地中海~インド洋を紅海するコンテナ船のうち、昨年12月15日~1月7日にスエズ運河から喜望峰(ケープ)経由に航路変更した船舶は354隻・465万TEUで、全体の80%を占めた。
 Linerlyticaではこの大規模な迂回にともない、4~6週(1月22日~2月11日)にアジアから欧州、北米東岸向けに出航する船腹量が最大40%不足し、今後数週間で運賃がさらに高騰するとみている。同時に迂回によりアジア向けコンテナ機器の入手可能性が低下し、12月から新造バンの生産量が急増、価格も前月比20%以上上昇した。ただ今年は通年で320万TEUの新造船デリバリーが予定され、迂回による影響を相殺する見込みだ。
 7日までに航路変更した354隻のうち、船社別ではMaersk(デンマーク)が約80隻のうち60隻超を航路変更、MSC(スイス)も70隻超のうち60隻超を航路変更した。一方、CMA CGM(仏)は50隻超のうち約25隻はスエズ運河を維持、ケープ経由に航路変更したのは30隻弱にとどまっているほか、SeaLead Shipping(シンガポール)、Newnew Shipping(中国)、FESCO(露)などアジア/東地中海・バルト海航路に配船する小規模船社がスエズ経由を維持している。