カナダ東西主要港再開も、労組側が政府命令に難色

カナダ労使関係委員会(CIRB)がカナダ西岸の港湾使用者団体(BCMEA)に対し業務を再開するよう指示する暫定命令を出したのを受け、CMEAの暫定命令を完全に順守、14日から業務を再開した。大量の船舶や貨物の到着が予想されるため、すべての港湾地域で労働力の需要が発生するが、BCMEAは、加盟雇用主と協力して、荷役作業全般を統括、監督するフォアマンの労働組合であるILWU Local 514、サプライチェーンパートナーと緊密に連携し、カナダ西岸の港湾で安全な操業に尽力するとしている。
 また、CIRBは、カナダ労働法第107条に基づく労働大臣の指示に関して提起された特定の質問について労使から意見を聞くため、18日に公聴会を予定している。ただ、ILWU Local 514も職場復帰したが、BCMEAとの協約交渉で拘束力のある仲裁に応じるよう求める政府命令に対して法的な異議申し立てを計画していることから、引き続き労使交渉の行方が注目される。
 一方、モントリオール港でも使用者団体(MEA)が7日、労働協約改定交渉を巡りカナダ公務員組合(CUPE)Local 375に対して6年間で累計20%以上の賃金引き上げを盛り込んだ最終案を提示し10日までの回答を求め、組合側がこれを拒否したことでロックアウトに入っていた。マッキノン労働大臣が強制仲裁を命じたことから、これを解除したが、CUPE Local 375も政府からの要求は違憲であると主張し難色を示している。