半導体ファウンドリー(受託製造)世界 最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は4 月5日夜、4月3日に台湾東部で発生した地 震の影響について、「工場の設備はほぼ復 旧し、今年の業績予想も1月に発表した前 年比2割増を据え置く」とコメントした (「聯合報」4月6日)。
TSMCは地震発生後10時間以内の設備復 旧率を70%以上と発表しており、こうした 素早い復旧スピードについて、半導体産業 に詳しい台湾経済研究院産経資料庫研究 員・総監の劉佩真氏は、3つの要因があると 指摘した(「中央社」4月5日)。第1に TSMCはこれまで強い地震に遭遇する度に 耐震能力を強化してきたこと、第2に TSMCでは管理職からエンジニアまで各種 緊急事態が発生した場合すぐにオフィスに 戻りトラブルに対処することが徹底されて いること、第3に台湾の半導体サプライ チェーンにおける上流から下流まで業界の
関連企業が団結してTSMCの復旧に協力し たことを挙げた。
一方、台湾の中央災害対応センターが4 月8日午前9時時点に開いた記者会見の情報 では、今回の地震で最も被害の大きかった 東部の花蓮県における死者は13人、取り残 されているのは37人、行方不明者6人と なっている。花蓮以外の地域で死者や行方 不明者は発生していないが、台湾全土での 負傷者は1,143人となった。陳建仁行政院 長は4月4日に花蓮を視察し、4月5日に30 項目の支援策を打ち出した。 支援策には、 死者・重傷者への慰問金、住宅復興補助、 被災企業に対する融資などが含まれる。
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