Allianz Global Corporate & Specialty SE’s (AGCS)がこのほど発行した大型船 (100総トン以上)の船舶事故分析レポー ト、”Safety&Shipping Review 2023″に よると、2022年の大型船損失は前年比21 隻減の38隻(うち貨物船10隻)で、同レ ポートの集計開始以来最低となった。 2013年からの10年間では65%減少してい る。
地域別では中国南部、インドシナ、イン ドネシア、フィリピンが10隻と最多で、ア ラビア湾・イギリス諸島・西地中海が3隻 だった。
原因は沈没(20隻)が半分以上を占め、 次いで火災・爆発が8隻、衝突が4隻だった。
全損は減少したものの海運事故は前年比32 件増の3,032件と増加し、このうち損傷・ 故障が1,478件と最多だが、引火性の高い リチウムイオン電池の輸送増などで火災が 前年比17%増の209件と顕著に増加し過去 10年間で最多となった。
AGCSによると保険金請求25万件のうち 火災が請求額の18%を占め、コンテナ船上 での重大事故の約25%が危険品の誤申告に 由来している。またコンテナ船の大型化に より火災の影響が増幅する可能性があり、 さらに現在のコンテナ市況の悪化がメンテ ナンスとリスク管理の予算に影響を及ぼす 可能性に言及した。