Lloyd’s List Intelligence(英国)の最新 調査によると、海運業界の脱炭素化へ向け た二酸化炭素(CO2)排出削減策で船舶の 解撤(スクラップ)トン数は2030年末ま での10年間で、2011~20年の10年間に比 べ75%増加、船齢10年以上の船舶は廃船 に直面すると予測している。
国際海事機関(IMO)は、国際海運から 排出される温室効果ガス(GHG)を2050 年までに2008年比で50%削減、世紀中の GHG排出ゼロを目標を掲げ、まず2030年 までに効率を40%改善するため、2023年 までに対策についての合意を目指している。
LLIでは10年未満の外航貨物船のサンプ ルを評価、今後10年間の後半のある時点で 環境規制でほんとんどの船舶はCO2の排出 規制率を満たすことができなくなるとみて いる。
これにより2030年までに1万300隻が解 撤されると推定、脱炭素化の目標達成を証 明できない船主にとっては、資金調達がま すます困難になり、船舶の耐用年数を短縮、 船舶投資にリスクをもたらすと指摘する。
また、世界的な脱炭素化の呼びかけは投 資コストを増加させると同時に収益性を弱 め、船主のリスクが高まっており、輸送 ルートによる一部の船舶と船主が同時に排 除される可能性もあるとしている。