国連貿易開発機関(UNCTAD)は先週、 2020版海上輸送報告書を発表、この中で世界の海上荷動き量は貿易摩擦の影響で 2019年に前年比2.5%増と2018年の5.1% 増から勢いを失っていたが、2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)で4.1%減のマイナスに転じるが、2021年には4.8%増に回復を予測した。
ただ、東アジアは、パンデミックの第1 波の後、海上貿易は他の地域よりも比較的良く、この傾向は7月にさらに顕著になり、 輸入は4%減、輸出は他の世界地域の2ケタ減とは対照的に1%減にとどまる一方で、 サブリージョンの西アジアと南アジアの輸 入は23%減、輸出は29%減と急激な減少がみられた。
特に、健康危機への対策と労働者不足により輸送とロジスティクスの制約で、中国 や他の国から東南アジアの工場への部品の タイムリーな配送が妨げられ、ベトナムを通じた直接供給、陸上輸送から航空輸送へのシフトなどの対策が講じられたとしてい る。
また、パンデミックによって引き起こさ れた海上貿易に対する影響の一つは港湾での貨物搬出入や周辺での貨物の移動の制限 による港湾混雑で、特に影響を受けたのは造船部門で、アジア諸国は新造船の納入遅 れ、リサイクル活動を凍結しなければなら なかったことをあげた。
グラフは2006~2020年のGDP成長率と 海上荷動き成長率の推移。